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第二章 二の蝶〜下弦の月〜

Penulis: 士狼かずさ
last update Tanggal publikasi: 2026-01-15 22:54:46
 考えたこともなかった。

 安倍晴明さまの養子になったら、妻をめとらなきゃいけないなんて────

 あたしはずっと……この人の隣で、戦うつもりでいた。

 千年さまが、他の誰かと結婚とか

 頭をよぎった事もなかったよ。

 「俺も、知らなかった」

 千年さまが呆然とした表情のまま、重たい口をひらいた。

 「千年さまも知らなかったんですか?」

 「ああ、ただ優秀な陰陽師になりたいって思ってたからな。そっか、跡継ぎって……いるんだよな」

 その時、小犬がじゃれるような仕草で、桔梗さまが割ってはいった。

 「桔梗にはもう一人お兄さまがいるから、安泰だとは思いますけど」

 「そうだよな」

 「でも、せっかく桔梗の兄さまになったんですもの。いつか、お兄さまが夫婦となる大切なひとと、桜の下で宴をしてみたいわ……!」

 「桜の下で」

 「そう! 式神の皆とたっくさんご飯をつくって、花のように笑うの。それが桔梗の夢……!」

 琥珀色の十二単が、陽光をうけて煌めく。その時あたしは、どこにいるのだろう。

 桜の下、千年さまが大切な誰かと笑うとき。

 見えない花びらが、幻想の中で舞い散る。

 桜
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